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2006年08月21日

犬・知っておきたい病気--目の異常

眼球は小さな器官ですが、とても特殊でデリケートな器官です。
眼疾患は非常に多彩で、一見して同じような病変に見えるものであっても、その由来、原因、病理変化、処置などについては異なることが多く、診断・治療には専門的な知識が必要です。

どんな疾患についても言えることですが、まず飼い主さんが異常に気づいて獣医師に診察を求めることがなければ、いくら専門家であっても治療を施すことはできません。
普段から愛犬の目について意識して観察し、気になることがある場合には獣医師に相談してください。


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<眼球周辺の主な器官>

眼瞼(がんけん/まぶた。裏側は眼瞼結膜で覆われる)
結膜(けつまく/まぶたの内側縁から角膜の縁へ続く薄い膜)
瞬膜(しゅんまく/第三眼瞼とも呼ばれる、目頭にある粘膜のヒダ。目頭から目尻方向に広がるが目を完全に覆うことはない。涙液産生に重要な役割をもつ)
涙器(るいき/涙を生産する。眼球周囲に散在)
眼球
 角膜:かくまく、眼球表面を覆う膜、光の通る窓となっている
 強膜:きょうまく、眼球表面の角膜以外の不透明な膜
 瞳孔:どうこう、瞳のこと
 虹彩:こうさい、中央の孔を瞳孔とするドーナツ状の膜
 水晶体:虹彩の中心部後方に位置する凸レンズ型の眼内器官
 硝子体:眼球の大部分を満たす、弾性に富んだゲル状物質
 眼底:検眼鏡によって観察しうる眼球内部後方面
ぶどう膜:虹彩、毛様体、脈絡膜をまとめて総称する


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<目の異常・家庭でのチェックポイント>

かわいい<見た目の異常>

眼瞼
正常な眼瞼は、通常色素が沈着していて、縁は滑らかで光沢があり、張りがあり損傷がない
欠損、異物、塊状物、腫れ、変色などの異常がないか
通常の状態で眼瞼結膜が見えたり(外反)、また眼瞼縁が見えない(内反)部分がないか
眼瞼周囲の被毛が濡れていないか、変色はないか(眼瞼異常、睫毛異常、腫瘤などの示唆)
閉じている、または痙攣しているなどの様子はないか
膿、粘性の液体が見られないか


眼瞼結膜および眼球結膜
眼瞼結膜は血管が樹木状に走る。眼球結膜は通常白いまたは青白い(眼瞼をめくって見る)
腫れ、赤み、出血、水胞、色素沈着、異物(異所性睫毛など)、腫瘤、眼瞼外反などがないか


瞬膜
健康な犬の覚醒時には、瞬膜は目頭付近にわずかに見ることができる程度である
突出していないか(全身状態がよくない場合にも瞬膜が突出する)
腫れがないか(チェリーアイ:瞬膜腺肥大/過形成の可能性。瞬膜腺は涙器として重要な位置を占めているため、瞬膜腺の完全切除は禁忌である)


涙器
涙液の状態に異常がないかもチェックする
眼球表面の乾燥、しわなどがないか
涙液があふれて目の周囲が濡れたり変色したりしていないか
(必要があれば病院で涙液量を測定してもらう)


眼球
ものを見つめたときの瞳孔の位置は正常か(内側に寄っていたり外側を向いていることがないか)
眼球の動きが左右で同調しているか
眼振(動物の意思と関係のない、眼球の細かい動き)がないか
眼球自体の腫れ、突出や陥没、位置のずれなどがないか
まぶたごしに触れたときに眼球が硬く張っている様子がないか(眼圧検査を定期的に受けることが好ましい)
痛み(眼瞼の閉鎖・痙攣)、眩しがる様子などはないか
涙液が過剰ではないか(角膜の異常を示唆)
内部に出血・異常な構造物・水平線状または弧状のラインが見えないか


角膜
健康な角膜は、傷や途切れのない涙液の薄い層に均一に覆われ、よく張って滑らかで透明である(いろいろな角度から見ること)
濁り、青色・白色または灰色・褐色・黒色などの一部または全体の変色がないか
糸状・島状・帯状・砂状・顆粒状などの斑や構造物がないか
表面が乾いていないか、涙液の膜が途切れている部位がないか


瞳孔、虹彩
瞳孔が不自然に開いていないか(散瞳)または閉じていないか(縮瞳
瞳孔の大きさは左右で同調しているか
瞳孔の縁に異物や構造物がないか
瞳孔内にラインがないか(水晶体脱臼などを示唆)
虹彩の脱色、欠損や突出、糸状構造物などはないか
虹彩の黒色・白色などの変色、虹彩の縁からの異物の突出などはないか


水晶体
瞳孔から観察して白濁などはないか
瞳孔から水晶体の縁が見えないか(瞳孔内または角膜表面直下のラインとして観察される)


※水晶体やそれを包む嚢の白色化または混濁を白内障と呼ぶ。
先天性白内障:生後8週までに見られる白内障
若年性白内障:生後8週以降〜8歳程度までの間に発症することが通常である
老齢性白内障:老齢動物であればほぼ例外なく見られる変化である

※見た目の白さから、白内障と水晶体核硬化は混同されがちだが、この二つは異なる疾患である



かわいい<行動の異常>
●まぶたを閉じている・半眼になる
●眩しがる、光を避けて暗いところを好む
●顔にさわられることを嫌う
●目をこする(顔を床などにこすりつける動作を含む)
●瞬きが増える・ウインクする
●ものを目で追わない



◎目の異常を見るときに・・・
正面からだけでなく横や斜めから見る
可能であればまぶたに隠れた部分も見ること
光源をあちこちに移動させたりして観察することが大事
瞳孔の開いている時に別光源を当てると目の内部が透けて見える
※無理に観察することで目に傷をつけることがないように!!


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犬は、犬種また個体によって骨格の作りや大きさが非常にバラエティに富んでいます。眼球およびその周囲の仕組みは基本的に共通ですが、注意すべき点や目のケアなどについては、その個体に合わせて考える必要があります


短頭種は、眼窩の奥行きが浅く、眼瞼裂の開口部が大きいために、眼球脱臼(または眼球突出:眼球が本来の位置から前方にずれて、眼窩からはみ出た状態になること)を起こしやすいという特徴があります。傷害や事故によるもののほかに、興奮している動物を押さえるときなどに脱臼が起こることもあり、飼い主は注意が必要です。


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猫と同様、眼疾患には遺伝性を持つ疾患が数多く存在します。これらには多く品種による好発性が存在します。ただし、他品種および雑種に発生しないというわけではありません

<遺伝が疑われる眼疾患の例>
●小眼球症(ブラッドハウンド、イングリッシュ・コッカー、ゴールデン・レトリバー)
●乾性角結膜炎(ロングヘアダックス、ウェスティ)
●眼瞼内反(チャウチャウ、シャーペイ、ブービエ、ペキニーズ、シーズー)
●眼瞼外反(ブラッドハウンド、セントバーナード、グレートデン、バセットハウンド)
●斜視、眼振
●睫毛乱生(チャウチャウ、シャーペイ、E・コッカー、シーズー、ペキニーズ)
●睫毛重生(イングリッシュおよびアメリカン・コッカー、シーズー、ペキニーズ、フラットコーテッドレトリバー、チベタンテリア)
●異所性睫毛(シーズー、ペキニーズ、フラットコーテッドレトリバー)
●瞬膜腺過形成(短頭種)
●類皮種(ダックスワイヤーヘア)
●先天性白内障(キャバリア、ゴールデンレトリバー、シュナウザー)
●若年性白内障(アメリカンおよびイングリッシュコッカー、アフガンハウンド、プードル、ウェスティ)


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目は脳神経と同じ発生由来であり、中枢神経に近いことから、神経疾患と眼異常が関連している場合があります。神経疾患に関連した眼異常の場合、見た目での異常が認められない場合が多くあります。
家庭でのチェックはもちろんのこと、異常がないように見えても、定期的に動物病院で眼検査を受けておくことが理想的です。




参考記事:猫・知っておきたい病気--目の異常
posted by みの at 18:36 | Comment(2) | TrackBack(1) | 犬の健康管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは!
気付くの遅くなってしまってごめんなさい。
私がしつこく催促したのに・・・(猛省)
眼の記事、とっても勉強になりました!
感謝です♪
私のブログで紹介してもいいですか?
眼のトラブルって私が思ってるより多いみたいですから・・・
ほんとにほんとにありがとうございました!!
Posted by もりこ at 2006年08月25日 13:22
もりこさん、ちゅうさんの目改善してきててよかったですね〜。
ご紹介くださるのはもう全然かまいません。
目のことを本気で心配する人にとっては全然満足できない記事かもしれませんが、少しでもお役に立てるのであれば私も嬉しいです!
Posted by みの at 2006年08月25日 14:01
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